北海道支部大会 |
支部大会(2024年度) |
第37回北海道支部大会
日時: 2024年7月6日(土) 午後13時00分~午後16時40分
会場: 北星学園大学 C館4階C401教室
基調講演:
「国語教育と英語教育をつなぐ:「連携」の歴史、方法、実践」」
柾木 貴之(北海学園大学)
(要旨)
新学習指導要領では、小中高すべての段階で「国語教育と英語教育の連携」が推奨されている。しかし、「連携」は本当に新しい発想なのだろうか。また、「連携」の実践はどのように行えばよいのだろうか。このような問いについて考えるため、本講演では、拙著『国語教育と英語教育をつなぐ』(東京大学出版会、2023
年)の内容に基づき、「連携」の歴史、方法、実践について論じる。講演の前半では「連携」の歴史を概観する。その中では、明治期から現在に至るまで、連綿と「連携」の議論がなされてきたことが見えてくる。後半では「連携」の方法と実践について考察を行い、その教育効果を検証する。さらに著書刊行後の研究として、新課程の高等学校国語教科書・英語教科書、計
163 冊に対する調査に着手したので合わせて紹介したい。「連携」というテーマを通し、今後の言語教育のあり方を考える機会となれば幸いである。
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シンポジウム:
「科目横断型英語授業実践」
コーディネーター:松本 広幸
助言者:柾木 貴之(北海学園大学)
シンポジスト:
對馬 光揮(札幌市立藻岩高等学校)
三上 全(札幌市立開成中等教育学校)
沢谷 佑輔(北星学園大学)
(要旨)
本シンポジウムでは、国語教育を含めた科目横断型の英語授業について、フロアーの参加者も交えて意見交換したいと思います。中等教育機関と高等教育機関で教鞭をとられている
3 名のシンポジストの実践例を紹介して頂いたのち、フロアーの参加者からも意見を頂戴したいと思います。尚、基調講演講師の柾木先生にも助言者として登壇していただきます。議論を通じてよりよい英語教育の実践について考えを深められればと考えます。
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研究発表:
1)「大学英語教員の授業不安に影響を与える要因について」
片岡 恋惟(北海道大学大学院国際広報メディア・観光学院)
(要旨)
本研究では、大学英語教員 79 名を対象に質問紙調査を実施し、授業不安に影響を与える要因を特定し、また授業不安と影響要因の因果関係および共変関係について分析を行った。まず、授業不安に影響を与える要因について因子分析を行った結果、職務に対する満足感や他者からの評価に対する満足感から構成される「職務満足感」、職務の様々な場面やライフイベントにおいて経験する負担感やストレスから構成される「職務負担感およびライフイベントストレス」、授業活動や学生との関係構築に対する満足感から構成される「授業エンゲージメント」の3因子が抽出された。次に、授業不安に対する関連要因の影響について検討するために分析を行った結果、「職務満足感」および「職務負担感およびライフイベントストレス」が有意な影響を示した。以上の結果から、授業不安の解消について検討する際には、これらの関連要因についても考慮に入れる必要性があることが示唆された。
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2)「Preliminary Analysis of TOEIC IP scores
(1999-2023)」
Yukie Ueno(Hokkai-Gakuen University)
(要旨)
This study aims to discuss whether or not the students’scores on a standardized
test went up for the past 24 years. The 1st and 2nd year students taking
a TOEIC preparation class took the TOEIC Institutional Program (TOEIC IP)
L&R tests every year over the past 24 years, from 1999 to 2023, at
a private university in Sapporo, and 1,232 is the total number of scores
accumulated. In this presentation the author will 1) present the statistical
data of the accumulated TOEIC IP L&R scores; 2) try to find out if
the average scores went up in the scores in the past 24 years; 3) if the
raise would be seen or not seen, find the reasons. The author constructed
the following research questions: 1) Did the change in teaching style and
curriculum at the university affect students’ English proficiency? 2) Did
online teaching materials have an effect?
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支部大会(2023年度) |
第36回北海道支部大会
日時: 6月24日(土) 午後13時00分~午後16時35分
会場: 藤女子大学 北16条校舎 756講義室
基調講演:
「口頭修正フィードバックのメタ分析を通した研究と実践の融合」
神谷 信廣(群馬県立女子大学)
(要旨)
即興で文を構築して話す活動では、自然と言語的な間違いが生まれます。その間違いを正そうとする教師や他の学習者の反応が、口頭修正フィードバック
(Oral Corrective Feedback; 以下OCF)です。OCF研究は、教室内でのティーチングに直接役に立つばかりでなく、理論的にも第二言語習得のメカニズムを解明するのに必要不可欠な分野であり、多くの論文や書物が出版されています。
当然のことながら、個々の研究によって結果にはばらつきが見られます。そこである程度分野が成熟してきた2000年代から、OCFのメタ分析 (多くの研究論文の結果をまとめて、俯瞰した傾向を分析する研究手法)を用いた研究論文が出版されるようになってきました。
本発表では、これらのOCFのメタ分析の中から代表的なものをいくつか紹介し、「OCFには効果があるのか」「どのようなOCFを使えば良いのか」などの問いに対する答えを導き出します。またそれらの結果を教育現場に生かす可能性について考えていきたいと思います。
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実践報告:
「カナダ学生との言語交流活動を通じた授業~試みと授業改善の一例~」
江口 均(北星学園大学)
(要旨)
.本発表では、カナダの大学生との3年間の語学交流の中で、オンラインコミュニケーションを工夫し、実践的な英語力を向上させるために実施した授業の改善点を紹介する予定である。発表では、学生間のコミュニケーションの改善を試みた過程、指導方法、活動、役割、そして授業の理念について説明する予定です。
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シンポジウム:
テーマ:「授業実践から考える効果的なフィードバック」
コーディネーター:笠原 究(北海道教育大学)
助言者:神谷 信廣(群馬県立女子大学)
パネリスト:内藤 永(北海学園大学)
中津川 雅宣(札幌国際大学)
江口 均(北星学園大学)
(要旨)
本シンポジウムでは、理論や実践例を通して効果的なフィードバックについてフロアーの参加者も交えて意見交換したいと思います。大学で英語を指導する3名の方にフィードバックの実践例を紹介して頂いたのち、フロアーの参加者からも意見を頂戴したいと思います。尚、基調講演講師の神谷先生にも助言者として登壇していただきます。議論を通じて理論と実践の融合を図れればと思います。
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支部大会(2022年度) |
第35回北海道支部大会
日時:2022年 7月30日 (土) 午後13時00分~午後16時30分
場所:天使大学 2303講義室 (2号館3階)
基調講演:
「社会言語学を背景する第2言語習得研究を目指して」
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横山 吉樹 (北海道教育大学 札幌校)
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(要旨)
第2言語習得研究を志す人の多くは、談話レベルのことは避ける傾向にあり、さらに、認知的な研究を嗜好する方が多いと思います。私はどちらかというと、人の言語を対象に研究しているのだから、その高度な領域に多少なりとも触れることができる研究に興味をもっていました。そういうこともあっても、談話レベルの言語(コミュニケーション)活動を社会言語学や社会学の知見を用いてアプローチするという研究を試みてきました。
本発表では、これまでの自身の研究活動を振り返り、どのような研究(者)に出会い、どのように啓発され、それをどのように論文の中に求めてきたのか話してみたいと考えています。一番感化を受けたのは,Jane
Hill,Susan Phillips,Charles A. Ferguson, Ervin Goffman, Harvey Sacksなど社会言語学や社会学の著名な方々の研究でありました。それらをどうのように応用しながら自身の研究の中に取り入れようとしていったのか、英語教育の潮流に真っ向から逆らうことをせずに、迷いながら研究をしてきたその軌跡を自ら辿ってみたいと考えています。
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研究発表
1) 「Critical Realism and Sociolinguistics」 |
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Jeremie Bouchard (Hokkai-Gakuen University) |
(要旨)
This presentation summarizes some of the ideas found in my recently published
works which, together, call for a philosophy of sociolinguistics. Based
on a critique of interpretivism, a prominent empiricist tendency in sociolinguistics,
the presentation highlights principles guiding critical realist sociolinguistics
as a viable alternative. These principles include (a) a layered, or stratified,
view of social phenomena such as language, language users, and language
education, (b) a robust approach to the formulation of causal claims, and
(c) a commitment to objective knowledge. In closing, the presentation offers
an argument in support for a universalist approach to sociolinguistics
and social critique aligned with critical realism.
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2) 「授業活動におけるストレスへの対処過程
―大学英語教員を対象としたインタビュー調査から―」 |
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片岡 恋惟 (北海道大学大学院)
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(要旨)
現在の日本の大学では、教員になるための体系だった教育が義務付けられておらず、教育に関する知識やスキル、経験には大きな個人差がある。また、学生や社会の多様化、昨今のCOVID-19の影響など、それまでの教育経験にかかわらず、大学で教鞭をとる多くの教員が授業活動に関する悩みや不安を抱えていることは想像に難くない。しかし、これまでの日本のストレス研究において、大学教員の抱える悩みや不安に焦点が当てられることはほとんどなかった。そこで本発表では、大学において英語授業を担当している教員が授業活動において生じたストレスに対しどのように対処しているのか、つまりストレスへの対処経験を教員としての成長のきっかけの一つとして捉え、その過程を明らかにすることを目的とする。具体的には、半構造化インタビューによって得られたデータを質的分析手法の一つである複線径路・等至性アプローチ(TEA)を用いて分析し、その結果について報告を行う。
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3) 「英語ディベート・トレーニングの導入案:オックスフォード・ユニオンの示唆」 |
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中谷 安男 (法政大学)
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(要旨)
英国の旧植民地であるコンウェルス54カ国と米国では、ディベートがリーダー育成の重要な方法と考えられている。ディベートでは、現代の様々な社会的課題について動議が与えられ、賛成・反対の立場から交互に議論を進めていく。最初の話者が、命題の定義を行い、後に続く話者は相手の議論を反証し、自分側の立場を有利にしていく。この際、内容の信頼性と妥当性を証明し、主張を第3者である審判団に説得する必要がある。このような活動を続けることで、SDGsに関する認識を深め、様々な知識を身に着け、課題の解決方法を考えるようになる。これは自立した学習者となり、客観的な交渉力を身に着けるのに有効な方法と言える。しかしながら、日本の環境でそのまま導入するのは容易でない。本発表では、世界最大のディベート組織のオックスフォード・ユニオンで行われている初級向けトレーニングについて考察を行い、日本の英語教育への示唆を行いたい。
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支部大会(2021年度) |
第34回北海道支部大会
日時:2021年 7月14日 (水) 午後19時00分~午後20時25分
2021年 7月15日 (木) 午後18時30分~午後20時30分
場所:ZOOMによるオンライン開催
基調講演:
「〈学術的〉英語政策研究のあり方」
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寺沢 拓敬 (関西学院大学)
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(要旨)
日本の英語教育系学会における政策論議は、概して、学術志向というより行政志向である。英語教育政策に関するシンポジウム・論考などでは、行政寄りの関係者(たとえば、文科省や教育委員会の職員、あるいは文科省等の委員を務めた大学教員)が、行政の代弁をする――「こうすることに決まった」「文科省はこう考えている」――だけのものが多数を占めている。残念ながら、学術的・分析的・批判的に政策を論じようとする気運、プラットフォーム、そして研究者コミュニティが不足していると評価せざるを得ない。
本講演では、他領域の先行事例から学びながら、日本の英語教育政策研究がいかにすれば学術的になるかを検討する。具体的には、欧米の言語政策研究、(日本の)教育行政学、(日本の)公共政策学を参照し、英語教育政策との接続可能性を考える。
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研究発表
1) 「Managing a Writing Lab during the Covid-19 Pandemic」 |
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Tom Stasinski (Hokusei Gakuen University Junior College) |
(要旨)
This presentation discusses challenges encountered in the process of managing
Hokusei College Writing Lab during the Covid-19 Pandemic, and the solutions
considered and applied. The pandemic forced many educational institutions
to switch from classroom- to online-based instruction in synchronous, asynchronous
or mixed mode for scheduled class lectures, group workshops, etc. In contrast,
writing centers offer tutoring sessions on demand, usually to individual
students on one-on-one basis. Therefore, writing centers need to find ways
to enable students to make reservations, and to conduct remote tutoring
sessions effectively. Hokusei Writing Lab addressed the first issue by
adopting an online reservation system, and the second one by offering synchronous
tutoring sessions via Zoom.
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2) 「英語で行われる講義理解プロセスにおける認知負荷の影響」 |
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沢谷 佑輔 (北海道文教大学)
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(要旨)
近年、英語圏の国へ留学する学生の増加に加え、英語を母語としない国々においても英語で専門科目を教えるEnglish-Medium Instruction
(EMI)が主流となってきている。講義は、高等教育において主要な教授様式であることから、学習者は会話形式のリスニング能力だけではなく、英語で講義を理解するための能力を身につけることが要求される。リスニングは、そもそも、技能の特性から認知負荷が高い技能であると指摘されている。しかし、これまでの研究においては、認知負荷についての言及は見られるものの、実際に学習者のリスニングのプロセスに与える影響については十分に検証されてきていない。そのため、本研究では、英語で行われる講義リスニングについての関連する先行研究について概観し、これを基に、今後の研究課題について考察する。
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3) 「悩み相談を用いた意思決定タスクの開発とその評価」 |
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志村 昭暢 (北海道教育大学)
酒井 優子 (東海大学)
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(要旨)
新学習指導要領において,すべての学校種において,主体的・対話的で深い学びによる学習の推進が求められており,英語教育においては,協同的な学びにより,学習者のコミュニケーション能力を高めることができる,コミュニケーションタスクを用いた授業が注目されている。タスクを用いた授業を行うことにより,学習者中心の授業が展開できることや,学習者の意味交渉の機会が増えるなど,言語習得において多くのメリットが考えられる。しかし,学習者の習熟度や興味・関心に合わせたタスクを開発するには時間と労力がかかると共に,その方法については十分に検討されていない。本発表では,高校生から大学生の英語授業を想定したコミュニケーションタスクとして,悩み相談に対する回答をペアやグループで話し合い,1つの回答を決める意思決定タスクについて,その開発方法及び評価方法について紹介する。
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支部大会(2020年度) |
第33回北海道支部大会
※2020(令和2)年度の支部大会は、新型コロナウイルスの感染状況を考慮して中止となりました。
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支部大会(2019年度) |
第32回北海道支部大会
日時:2019年 7月6日 (土) 午後13時00分~午後17時15分
場所:北海道武蔵女子短期大学 3号館2階 322教室
基調講演:
「教室内英語スピーキング評価の実現可能性:年間を通じた安定的な実施に向けて」
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小泉 利恵(順天堂大学)
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(要旨)
授業において英語のスピーキング指導の成果を評価することは重要であるが、実施されていないことも多い。スピーキングテストの方法に不慣れだったり、評価するのに自信がなかったりなどの教員側の問題以外に、テスト作成や実施や採点に時間がかかる、採点が機械的にできないなど、テストの性質の問題がある。また、発音や語彙・文法、正確さや流暢さなど話すことの側面は多様で、さらに発表とやり取り、準備ありと即興、技能単独と技能統合などの要素も考慮すると、一つの形式だけで測れず、どの形式をどの時期に用いるか等の選択も入り、難しいと捉えることもあるだろう。本講演では、教室内のスピーキング評価を年間を通じて行うために、どのような体制や研修システム、資料などが必要かについてまとめたい。そのために、国内外で長期的に安定的にスピーキング評価を実施している例を紹介し、それを可能にしている仕組みについて考察する。
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研究発表
1) 「英語学習における動機減退のプロセスとその要因 −PAC分析と複線径路・等至性アプローチ (TEA)による分析− 」 |
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三ツ木 真実 (小樽商科大学) |
(要旨)
本研究の目的は、大学生英語学習者の英語学習経験の語りを通じて、英語学習の動機づけ減退におけるダイナミックなプロセスと減退をもたらした要因を捉えることである。この研究では、インタビューを中心としたデータの収集と分析を行った。動機減退の過程で調査協力者にどのような経験があったかを具体的に捉えるために、個人別態度構造分析(PAC分析)(内藤,2002)を実施した。その結果を踏まえて協力者へのインタビューを行い、複線径路・等至性アプローチ(TEA)(安田・サトウ,2017)による分析を行った。分析の結果、英語学習環境に存在する様々な社会的要因が学習者の動機の減退に影響を与え、さらには教師の行動や英語力に対する自己認識、他者との比較等の具体的な出来事によって協力者に新たな信念や価値観が生じ、それらが学習動機に変容をもたらす要因となっていたことが明らかとなった。
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2) 「セラピスト養成大学で英語プログラムを創る試みータスクとプロジェクトを学びの中心に据えて」 |
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大池 京子(北海道千歳リハビリテーション大学)
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(要旨)
英語教育者として、日々の教育実践と研究活動は絶え間なく続くサイクルであり、教師はその途上で直面する様々な課題を解決しながら、プログラムの改善を図る。(クマラヴァディヴェル、2001))発表者は当初、3つの課題に直面した。すなわち、1)英語学習に対して、モチベーションが低い学生が多く、また英語力も、幅があるとは言え平均的に低いこと。2)英語必修科目が2講座しかないにも関わらず、プログラムに課された目標が高いこと。3)セラピストを目指す学生を養成する大学で英語教育を担当する教師自身が、「医療英語」という教える内容についてほぼ知識と経験がないこと。そこで、教師は、「バックワードデザイン」でのシラバス作成、学習者の自律、主体的・共同的学習、「学び方を教える」といった概念(中嶋、2000)を応用し、様々な試みを思考錯誤しながら展開した。研究上の様々なテーマの中で、教師が常に最優先で心がけたことは、学生が将来セラピストとして現場に立っても、専門性を開発し続けられるように、「学生がモチベーション高く参加し、しっかりとした英語力をつけられる授業を創る」ことであった。この発表では、特に、2年次の必修科目「保健医学英語I」のファイナルプロジェクトに焦点を当て、コースデザイン、発表の様子、英語力の伸長を、学生による授業評価と試験結果を基に、質的分析と量的分析を加えて考察する。
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シンポジウム:
Theme: Integrating Theory and Practice in Testing and Assessment
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コーディネーター: |
Kiwamu Kasahara (Hokkaido University of Education) |
助言者: |
Rie Koizumi (Juntendo University) |
パネリスト: |
Kiwamu Kasahara (Hokkaido University of Education)
Rintaro Sato (Nara University of Education)
Aiko Sano (Sapporo International University) |
1) 「A Testing and Assessment Course for Pre-service English Teachers」
Kiwamu Kasahara (Hokkaido University of Education)
(要旨)
There are many English teachers who are enthusiastic about improving their lessons. However, there are few teachers who are willing to improve their tests or assessment. One of the greatest reasons for this is that there are no courses for testing and assessment in most teacher-training colleges (Kasahara & Sato, 2017). Several years ago, the presenter started a mandatory testing and assessment course, in which pre-service English teachers learn basic concepts of testing, how to measure four skills, and create a term-test in groups using an authorized JHS textbook. They are told that they should think about how to evaluate their students before considering how to conduct their lessons. Irresponsible testing items without any clear testing points can discourage learners (Wakabayashi & Negishi, 1993); good testing items that reflect the goal of lessons can encourage them to study more. Though there are no perfect tests or assessment in the world, the pre-service teachers learn how to make better tests and assessments to improve test-takers English proficiency.
2) 「Evaluating classroom speaking activities with a performance test: Is
it really valid and reliable?」
Rintaro Sato (Nara University of Education)
(要旨)
To make Japanese EFL students motivated to speak English, just giving opportunities for communication in English is not enough as they are, in general, “… reluctant to communicate in English, especially when the main focus of the lesson is on communication”(Tomita & Spada, 2013. p.593). Though my English class, entitled “Foreign Language Communication”, is based mainly on Task-based Language Teaching(TBLT), I often follow a step by step approach, in which students learn and practice before being engaged in real communication, by including reading aloud, communicative practice and Four Round Practice as well as the inclusion of Translanguaging practice. In my talk, I will introduce those activities that have made my student more motivated to speak English. In addition, performance tests seemed effective in increasing students’ motivation to speak in the class, showing a positive washback effect. However, I have been skeptical of the reliability and validity of performance tests. In fact, I…
In the presentation I will share my concerns with the audience and other
presenters to have a fruitful discussion.
3) 「Evaluating students’ writing: Why, what, and how?」
Aiko Sano (Sapporo International University)
(要旨)
Writing has been referred to as “the neglected child in the family of the four skills” (Freedman, Pringle and Yalden, 1996), and it still has not been given the due attention and affection in the L2 classrooms. Such reluctance in teaching writing is partially rooted in the challenges teachers face in evaluating students’ writing. Shifting away from too heavy focus on accuracy of students’ writings, use of rubrics in writing evaluation is becoming the norm of the L2 classrooms today. Although it has been widely accepted as a valid mean of summative assessment, using rubrics may not be the best approach as a formative assessment. It is simply not fine-tuned enough for the learners to feel the progress they are making. In this presentation, the speaker will share her ideas of formative assessment in her writing classes, with examples drawn from her Academic Writing classes in which students engaged themselves in making a newspaper on their own, writing various genre of articles.
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支部大会(2018年度) |
第31回北海道支部大会
日時:2018年 7月7日 (土) 午後13時00分~午後17時25分
場所:北海道大学学術交流会館(第1会議室)
基調講演:
「『話す力・書く力』を育てる英語指導法 ― 意味の順序に着目して―」
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田地野 彰(名古屋外国語大学) |
(要旨)
全国約8万人の高校3年生を対象とした調査によれば,彼らは「話すこと」と「書くこと」について大きな問題を抱えており,たとえば「書くこと」の課題に関しては約18%の生徒が0点であったと報告されています(文部科学省,2016)。この現実を踏まえて,本講演では,産出技能の育成にむけた指導法の一つとして「意味順」指導法をご紹介します。「語句の順序が変わると意味も変わる」という英語の言語的特徴に着目しながら,英語(英文法)を意味の観点から捉えなおした指導法です。応用言語学の知見にもとづきながら,コミュニケーションの観点から文法事項の重みづけを行い,文法を二次元で捉えることにより,教育英文法の可視化と体系化を試みたいと思います。
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研究発表
1) 「Towards the Alleviation of Language Anxiety: A Mixed Method Study」 |
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Satomi Fujii (Hokkaido University) |
(要旨)
Language anxiety is a psychological construct that affects the learning
of a second or foreign language. Over the literature, the negative impact
of language anxiety on language learning has been established (e.g., Aida,
1994; Alrabai, 2014; Horwitz, Horwitz & Cope, 1986), therefore it is
essential to alleviate student language anxiety. In this study, a semi-structured
interview and a questionnaire survey was performed targeting both high-anxious
and low-anxious students, and a classroom intervention employing anxiety-reducing
strategies was implemented. Participants were 7 high-anxious and 4 low-anxious
students extracted from the 48 Japanese EFL students. Interview revealed
student anxiety sources as, fear of negative evaluation from others, underestimation
of one’s ability, and fear of interacting with peers. The anxiety scores
of these 11 students decreased significantly after the intervention. In
addition, 7 high-anxious students’ anxiety reduced significantly, on the
other hand, 4 low-anxious students’ anxiety reduced as well but did not
reach significance.
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2) 「An Investigation into L2 Learners’ Self-Efficacy in Digital Literacy」 |
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Ivy Chuhui Lin (Hokkai-Gakuen University ほか) |
(要旨)
Digital literacies are a set of skills that include critical thinking,
creativity and the ability to communicate through the network of digital
technology (Dudeney, Hockly & Pegrum, 2013). With the increasing demands
of task-based-learning that require the use of information computer technology
(ICT) in college language learning settings, English language learners
(ELLs) need to be equipped with these skills in order to succeed. This
investigation seeks to identify incomplete L2 digital literacies by comparing
ELLs’ L1 and L2 digital literacies. 110 Japanese college students cooperated
in a survey-based investigation. The survey asked ELLs to self-rate their
digital literacies in the areas of information, reproduce, language, and
connection literacy (Eshet-Alkali, & Amichai-Hamburger, 2004; Pegrum,
2011) in both Japanese (L1) and English (L2). In this presentation, I will
report the survey responses and suggest pedagogical approaches that facilitate
the needs of L2 digital literacies.
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シンポジウム:
テーマ 「明日の授業にむけて-「意味順」で変わるこれからの英文法指導-」 |
司会進行: |
田中 洋也(北海学園大学) |
助言者: |
田地野 彰(名古屋外国語大学) |
パネリスト: |
山田 浩(高千穂大学)
細越 響子(京都府立大学)
加藤 由崇(中部大学) |
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支部大会(2017年度) |
第30回北海道支部大会
日時:2017年 7月1日 (土) 午後13時00分~午後18時05分
場所:北海学園大学豊平キャンパス 22番教室
北海道札幌市豊平区旭町4丁目1番40号
基調講演:
「外部検定試験活用の展望と大学英語教育」
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尾関 直子(明治大学)
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(要旨)
近年、初等中等教育での英語教育は、大きく変わりつつある。高校では、現行学習指導要領が施行され、習得する語彙数や時間数が増え、英語は英語で教えることが基本とされた。また、2011年に文部科学省が「国際共通語としての英語力向上のための5つの提言と具体的施策」の提言5において「グローバル社会に対応した大学入試としての改善を図る」と発表した。それには、「聞くこと」、「話すこと」、「読むこと」、「書くこと」を総合的に問う入試問題の開発や実施、一般入試などにおいて、外部検定試験の活用を促進することを明記している。
明治大学では、2014年にスーパーグローバル大学の1つに選ばれ、その取組概要にも書かれているように、積極的に外部試験を大学入試に取り入れつつある。2016年以前は、海外就学者試験などの特別入試において、英語検定試験は取り入れられていたが、2016年度に経営学部が初めて一般試験に英語検定外部試験を導入した。今年度は、商学部、国際日本学部が外部試験を導入予定であり、近い将来では、全学入試(複数の学部に出願して、1つの試験で合否が決まる)においても導入予定であり、現在検討中である。
本大学では、それぞれの学部が学部に最もふさわしいと思われる外部試験の導入形態を選択している。外部英語検定試験を大学入試に導入するさい、どのような形態で行うのかについて大学や学部は慎重に検討しなければいけない。例えば、4技能入試を全学入試、一般入試、センター利用入試で使うのか。募集人数は、他の通常試験の募集枠と同枠で行うのか、別枠で決定するのかなどである。さらに、別枠の場合、通常方式の試験と併願可とするか否とするか、同枠の場合、みなし満点にするのか、みなし割合にするかなどの問題がある。本発表では、それぞれの学部が選んだ外部試験の導入形態、その長所や短所について論じていく。
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研究発表
1) 「Unpacking the Notion of Culture in EFL Education」 |
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Jeremie Bouchard (Hokkai-Gakuen University) |
(要旨)
Recent MEXT policy discourse has currently begun to emphasize the development
of learners’ intercultural communicative competence (ICC) in foreign language
education. Central to this initiative is a need for EFL teachers to integrate
the complex and often misunderstood notion of culture in their everyday
teaching. In this presentation, I attempt to answer three guiding questions:
Why should EFL education concern itself with the teaching of culture? How
should the concept of culture be conceptualized within EFL education? and
What classroom activities are appropriate for the teaching of culture?
Answers to these questions are drawn from sections of my book titled “Ideology,
Agency, and Intercultural Communicative Competence: A stratified look into
EFL education in Japan”, published by Springer in 2017.
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2) 「Partial Extensive Reading Program Using the M-Reader System」 |
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Akira Iwata (Hokkaido Musashi Women’s Junior College) |
(要旨)
This classroom research investigates the potential effectiveness of a partial
extensive reading program for less proficient and less motivated English
as a Foreign Language (EFL) learners enrolled in a first year non-English
major course in a women’s college. A total of 39 learners engaged in an
in-class extensive reading for 20 minutes followed by a 10-minute classroom
reporting session. They are encouraged to read at least 10,000 words during
one semester. The materials mainly included graded readers with various
topics and levels. The participants filled in a simple book report and
tackled comprehension quizzes using the MReader system. The post-questionnaire
survey and follow-up interviews revealed that the course could successfully
alleviate the learners’ mental burdens for English learning, create a good
atmosphere for peer cooperation, and provide opportunities to enhance students’
responsibility as autonomous English learners.
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パネルディスカッション:
テーマ 「個人差要因とスピーキング能力の育成」 |
コーディネーター: |
河合 靖(北海道大学) |
パネリスト: |
志村 昭暢(北海道教育大学札幌校)
中谷 安男(法政大学)
尾関 直子(明治大学) |
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支部大会(2015年度) |
第29回北海道支部大会
日時:2015年 7月4日 (土) 午後13時00分~午後17時40分
場所: ニセコ町民センター 2階 研修室
北海道ニセコ町字富士見95番地
基調講演:
「CLIL/CBLTが育む英語教師のこころの変化」
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笹島 茂(東洋英和女学院大学教授・JACET理事)
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(要旨)
CLIL (Content and Language Integrated Learning)あるいはCBLT (Content-based Language Teaching)は、これまでの英語教師が抱く英語の学び方や教え方を支えるビリーフと異なるアプローチを提供する可能性があると考える。本講演では、その点に触れ、CLIL/CBLTの現状と、これまでの実践から英語教師の思い込みがどう変化するのかということに触れ、今後のCLIL/CBLTの方向性などについて言及する予定である。
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講演
1) 「Niseko, English and Social Mobility」 |
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Julian Bailey (SMiLE Niseko Language School/ Hokkaido Exam Centre affiliated by Cambridge English Language Assessment) |
(要旨)
Niseko provides increased (or decreased) Social Mobility for those with
(or limited by) English communication skills. If Niseko is indicative of
trends in an increasingly globalised Japan, it demonstrates the need for
'communicative' English skills not only in tourism focused Hokkaido but
across the wider working population and at a range of income levels. In
addition to a Profession, work skill, trade or specialism, Japan must enable
its youth to achieve and demonstrate work-ready, non-academic English at
CEFR B1 or B2 to compete effectively with overseas employees. This will
only be achieved by adopting what works outside Japan, by raising parent
and student expectations dramatically and by developing confident, highly
trained English Teachers enabling CEFR A2 success at Primary and Junior
High School.
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2) 「The Hospitality and Tourism Industry in Niseko」 |
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John Barton (Niseko Management Service) |
(要旨)
The presentation will introduce the Niseko resort, outline its various hospitality businesses and then go on to outline some of the opportunities there are for hospitality professionals who are able to speak English and Japanese.
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研究発表
1)「地域の企業や関係機関と連携したグローバル人材育成に向けた取組」 |
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白鳥 金吾(北星学園大学短期大学部)
青山 智恵(ケンブリッジ大学英語検定機構) |
(要旨)
本学短期大学部英文学科では、ニセコ町にあるSMiLE 語学学校(ケンブリッジ大学英語検定機構から北海道試験センターとして正式に認められており北海道におけるケンブリッジ英検の業務を行っている)と連携し、今年度から、試行的にケンブリッジ英検を導入した。また、ニセコヒルトンホテルと連携しインターンシップを実施している。本発表では、地域の企業や関係機関と連携した取組の成果や課題等について検証する。
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2) 「英語習熟度の低い大学生が描く英語教師像―教師の自己省察の一助として―」 |
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牧野 眞貴(近畿大学) |
(要旨)
近年、多くの大学で英語リメディアル教育が実施されており、英語習熟度の低い学生の授業法や教材についての研究が行われるようになってきた。しかしながら、素晴しい授業法や教材が開発されても、指導を行うのは教師であり、教師の指導力が授業の成功にかかっていると言えよう。自己の指導の振り返りや学生からのフィードバックが授業改善につながるのは言うまでもなく、良い授業をおこなうためには教師の自己省察が不可欠でだと考えられる。学生がどのような教師を求めているのか、あるいはどのような教師が学生の学習意欲を低下させるのかを知ることは、自己省察の一助となるであろう。本研究は、英語習熟度の低い大学生が望ましいと考える英語教師像、および苦手だと考える英語教師像を明らかにすることを目的とし、その結果より、教師の自己省察について提案を行う。
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シンポジウム:
テーマ 「言語教師認知研究と英語教育」 |
司会: |
中村 香恵子(北海道科学大学) |
講師: |
笹島 茂(東洋英和女学院大学)
河合 靖(北海道大学)
志村 昭暢(北海道教育大学) |
(要旨)
教師の成長、自律への関心の高まりを背景として、教師認知研究が注目されつつある。言語教師認知研究は、言語教師の実践にかかわる認知の解明とその理解から授業の改善を図ることを意図している(笹島, 2009)。本シンポジウムでは、英語教育について言語教師認知の視点からフロアとともに考える場を提供したい。そのために以下の3つのテーマを設定する。第一に、これまでの言語教師認知研究について概観し、研究がどのように実施され、どのような方向に向かうのかを話題提供する。第二に、「英語で英語の授業をすることが日本ではなぜこんなに問題となるのか」という問いに対して、歴史的経緯から考察し、英語による英語の授業に対する教師の意識に影響を与えている要因を考える。第三に、具体的な研究の結果を示しながら、学校種による教師の認知の違いを英語教育の連携という観点から考察する。
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支部大会(2014年度) |
第28回北海道支部大会
日時: 2014年 6月 28日(土) 午後12時30~午後6時10分
場所: 北海道教育大学札幌校
札幌市北区あいの里5条3丁目1番5号
講演:
「グローバル人材育成に必要な異文化間コミュニケーション力」
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山内 ひさ子(長崎県立大学教授・JACET副会長)
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(要旨)
今日、大学にグローバル人材の育成が要請されているが、グローバル人材の定義は、文科省、厚生省と企業では、少しずれがあるように思われる。しかし、いずれも、語学力に加えて異文化理解力がグローバル人材には必要であるとされている。この講演では、まず、グローバル人材の定義を整理し、その中大学英語教育の中で養成可能な能力として、語学力と異文化理解力について考察する。語学力は、普通、リスニング、スピーキング、リーディング、ライティング、4技能に分、それぞれの能力を図ろうとする。しかし、グローバル人材の能力としては、単に4技能ではなく、異文化理解力が備わっていることが重要とされている。したがって、異文化理解力の定義を確認する必要がある。最後に、実際の英語教育の中で、どのようにしたらグローバル人材に必要な語学力と異文化理解力の養成ができるかを、皆さんと一緒に考えてみたい。
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研究発表(第1会場)
1) 「Interrogating the Current Push towards Monolingual EFL Education in Japanese Secondary Schools」 |
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Jeremie Bouchard(Hokkai Gakuen University) |
(要旨)
For decades, analyses of Japanese EFL education, both in and outside
Japan, have reproduced the common refrain that dominant language teaching
approaches in Japanese schools do not lead learners to become successful
target language users. These analyses have all shared the underlying assumption
that English is best learned when communicative purposes are prioritized.
In response, MEXT has, for the past 30 years or so, published confused
EFL policies, and in the process, exacerbated the gap between policy and
educational practice. At the heart of these policies is a general consensus
among Japanese policy makers that secondary school EFL educators need to
move away from grammar-translation and adopt teaching strategies in line
with the Direct Method, which essentially excludes the use of the learners’
L1. While this general trajectory in policy discourse appears to be ‘catching
up’ with academic and educational trends around the globe, it over looks
a) the increasingly critical stance of contemporary academia towards the
Direct Method and its outlawing of translation in language education, and
b) broader social a political realities redefining language use in an increasingly
globalized world. Adopting a stratified approach to researching social
processes, this presentation critically unpacks ongoing Japanese policy
discourse aiming at transforming the EFL classroom into a monolingual pedagogical
milieu, and through an ethnographic perspective, attempts to shed further
light on issues such as code-switching and translation in the Japanese
EFL classroom.
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2) 「アクティブラーニング教室を利用したプロジェクト型英語教育について:エスノグラフィーを通してのローカルな視点の育成」 |
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中津川 雅宣(北海道大学大学院国際広報メディア・観光学院) |
(要旨)
旧来の教員による一方的な講義形式とは異なり、学習者の能動的学修参加を取り入れた授業を推進することを目的に、平成24年度、中央教育審議会では「新たな未来を築く大学教育の質的転換に向けて」と題し、アクティブラーニング(AL)推進事業が始まった。小樽商科大学でもその認可を受け、AL教室の整備が行われ、能動的な学修参加を促す取り組みが様々な授業で行われている。本発表では、AL教室でのICTを活用した新たな双方型授業を紹介するとともに、プロジェクト型英語教育により、学生の積極的な学修を促し、地域(local)について学ぶことで、「グローバル人材」の育成につながり、「アクティブな」授業参加が増えることを報告する。
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研究発表(第2会場)
1) 「Assessing Instructional Events Using the MOLT and COLT Observation
Schemes」 |
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Akinobu Shimura(Hokkaido University of Education)
Yoshiki Yokoyama (Hokkaido University of Education)
Aiko Sano (Hokkaido Bunkyo University)
Yuko Sakai (Hokkaido Sapporo Intercultural and Technological High School)
Yasushi Kawai (Hokkaido University) |
(要旨)
In order to clarify how instruction is conducted to enhance motivation
in learners for English classes, we will analyze the classes provided by
three teachers of a university and discuss their characteristics in the
present study using two types of approaches i.e., Motivation Orientation
of Language teaching (MOLT) (Guilioteaux & Dornyei, 2008) and Communicative
Orientation of Language Teaching (COLT) (Frohlich, Spada & Allen, 1985).
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2) 「Developing student critical thinking skills through public forum speeches」 |
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Yuko Sakai(Hokkaido Sapporo Intercultural and Technological High School)
Sean Scarbrough(Hokkaido Sapporo Intercultural and Technological High School) |
(要旨)
The public forum speech is designed to mimic a public discussion about
a controversial issue. Through these speeches we have attempted to meet
MEXT’s goal of improving students’ ability “to think, make decision[s],
and express [themselves]” while also improving their critical listening
and writing skills. In the tasks associated with this activity, students
encounter a variety of topics from different points of view and develop
their own viewpoint more clearly using their L2. This helps prepare students
for the variety of topics they will encounter on standardized tests and
in everyday classroom discussion. Furthermore, it provides a framework
for introducing other language activities, such as academic debate. In
this presentation, we will show the results of using this type of activity
with high school students while also introducing the activity in detail,
and demonstrating how to use it effectively in the classroom.
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シンポジウム:
テーマ 「英語リーディングフルエンシーを科学する」 |
司会: |
内藤 永(北海学園大学) |
講師: |
1)「文字処理レベルとリーディングフルエンシーの関連」
川﨑 眞理子(関西学院大学)
2)「CELP-testによるリーディングの流暢さの測定」
氏木 道人(関西学院大学)
3)「ワーキングメモリ容量とリーディングの流暢さの関係について」
中西 弘(東北学院大学)
4)「シャドーイングはReading Fluencyの向上に効果がある?」
門田 修平(関西学院大学)
5)「ストラテジー、ビリーフ、動機づけからのReading Fluencyの向上」
松本 広幸(北海学園大学) |
(要旨)
本シンポジウムではリーディングフルエンシーをテーマとして、リーディング力を構成する異なる要素から「読みの流暢さ」について検討していく。まず川崎氏は、英語の文字処理の困難さが見逃されがちである点を指摘し、文字の音韻符号化の正確さと迅速さについて、日本人学習者の現状と指導効果を紹介する。次に語彙の観点から、氏木氏は語彙処理能力を測定するために開発したCELP-testの有用性に触れながら、リーディングフルエンシーにおける意味検索スピードの役割について考える。中西氏は、L2学習者のワーキングメモリ運用能力がリーディングフルエンシーに及ぼす影響について、様々な処理側面に負荷をかけたReading Span Testを用いて考察する。さらに門田氏は、英語読解では文字の音韻符号化を経て、ワーキングメモリ内の音韻ループを活用した処理が必須であるという知見に基づき、シャドーイングの訓練がいかにして音韻ループ内の情報処理を促進し、読解力の向上に資するかを検討する。最後に松本氏は、読解ストラテジー使用、読解ビリーフ、および動機づけは、英文読解の流暢さに影響を与える要因であることから、これら3要因の関係性と因果プロセスから、英文読解の流暢さの向上について検討する。
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支部大会(2013年度)
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第27回北海道支部大会
日時: 2013年 7月 6日(土) 午後13時~午後6時25分
場所: 札幌大谷大学 西棟
札幌市東区北16条東9丁目1番1号
講演:
「 English that Works ! - Motivated, Self-directed, Informed Plurilinguistic ELF Learners」
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Judy Noguchi (Mukogawa Women's University, JACET Kansai Chapter President)
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(要旨)
English communication ability is essential today and we should help our
students become model 21st century language learners who are motivated, self-directed and informed. They can be motivated by being introduced to ESP (English for Specific Purposes) concepts such as “discourse community” and “genre.” Collaboration between disciplinary professionals and language teachers leads to an understanding of how genres function in communication networks among discourse community members. Our students can become self-directed by being made aware of how genres work and the need for a life-long learning approach to acquiring language skills as they progress through their careers. Our students can become informed by knowing about language analysis tools, useful websites and the concept of ELF (English as a lingua franca) plurilingualism. Rather than aiming for mastery of an “ideal native speaker” model, they should set their target at the development of a linguistic repertory of sociocultural, intercultural and practical skills.
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支部研究会発表:JACET北海道支部談話分析研究会
「談話の視点からの英字新聞の活用」 |
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小林 敏彦(小樽商科大学)
尾田 智彦 (札幌大学)
佐々木 勝志 (北海道武蔵女子短期大学) |
(要旨)
談話分析研究会は、語彙から文法にいたる個々の言語知識の重要性を前提としつつも、この知識を綜合して実際にコミュニケーション場面で活用できる能力の育成のためには「コミュニケーション場面」を「談話=discourse」としてとらえ、この視点での指導を、主にHallidayの文法に学びつつ、模索してきた。この談話の視点を英語教育に生かす最適な教材のひとつとして、我々は英字新聞を様々な形で活用する授業を考え、実践してきた。本発表においてはまず、道内の大学・短大における英字新聞活用の状況を概観する。次に、英字新聞の記事を談話の構造としてとらえ、その読解を通して得た情報をWritingへ用いる指導実践例を示す。最後に、「書きことば」としての新聞の特性を「話しことば」と対比させ、その上で複数の新聞の特徴を考察し、併せて英語の談話展開の教示を試みる授業実践例を報告する。
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研究発表(第1会場)
1) 「入試形態と大学生の英語力の関係」 |
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目時 光紀 (天使大学) |
(要旨)
大学全入時代を迎え、入試の形態も変化している。従来の一般入試に加え、センター試験利用入試、推薦入試、社会人入試、AO入試など、幅広い入学試験が多くの大学で行われている。結果として、英語科目を受験することなく大学に入学する学生の割合が高まり、入学後の英語力の格差が広がっていると指摘する声も多く聞かれるようになった。本発表では、入試形態と大学生の英語力の関係をデータに基づいて報告する。
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2) 「日本人英語学習者における多義語に関する語彙知識の測定」 |
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三ツ木 真実 (北海道大学大学院) |
(要旨)
英語学習者の語彙知識には、「どの程度単語の数を知っているか」という語彙の量的側面としての「サイズ」、また「個々の単語についてどのくらい多くのことを知っているか」という語彙の質的側面としての「深さ」があるとされている。語彙知識のサイズについてはこれまでに多くの研究がなされてきているが、語彙知識の深さに関する研究はまだ十分ではなく、学習者の語彙力向上に資するためにさらなる調査・研究が必要である。そこで、本研究では深さの構成要素の一つとされている「多義性」に関する知識に焦点を当て、日本人英語学習者の多義語の意味に関する知識や多義性と深く関わるカテゴリー能力を測定するとともに、それが語彙のサイ
ズとどの様な関連を持つかについて分析を行った。発表では、その分析の結果を報告する。
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研究発表(第2会場)
1) 「The Benefits of Humor on Motivation and Stress」 |
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Tatsuya Mima (Otaru University of Commerce, Graduate School of Commerce) |
(要旨)
This study investigates the theory that humor alleviates stress in English
teaching settings. In order to examine this, I conducted an experiment
to see if there was any relation between the use of humor in a classroom
and alleviating students' stress. The result was positive, and I hope that
teachers recognize the importance of humor in a classroom environment.
I also hope that this presentation will cause teachers to consider using
humor in their own classrooms in the future.
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2) 「Methods for noticing lexical bundles in text」 |
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Haidee Thomson (Fuji Women's University) |
(要旨)
Knowledge of lexical bundles helps English speakers to anticipate, process,
and produce language more fluently. The results of research comparing two
methods for noticing lexical bundles will be presented. The investigation
was carried out using three university groups of Japanese first language
speakers. Pre-tests determined nine target items, which were then presented
to learners within two purpose made texts along with Japanese translation.
Each group was treated to a different instruction method: bare noticing
of the lexical bundles within the text, noticing the lexical bundles with
schematic linguistic representation and using the texts to answer meaning
focused questions. The immediate post-test results showed that noticing
with schematic linguistic representation resulted in significantly greater
productive knowledge of the target lexical bundles. However, delayed post-tests
showed no significant difference across the instruction methods. These
results will be discussed in light of the involvement load hypothesis,
classroom applications and future research directions.
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シンポジウム:
テーマ 「大学の出口教育」 |
司会: |
内藤 永(北海学園大学) |
講師: |
内藤 永(北海学園大学)
平岡 祥孝 (札幌大谷大学社会学部学部長)
小松 和行 (札幌商工会議所国際部貿易課)
野口 ジュディー (JACET関西支部長・武庫川女子大学) |
(要旨)
卒業後に就く仕事と教育の間にはギャップがあるとの指摘がある。企業もそのギャップを埋める研修に注ぐリソースが限られているのが現状である。このシンポジウムでは、「地域で活躍し、地域活性化に貢献する人材育成」、「北海道企業の貿易や海外進出の幅広いサポート」、「実務英語や専門英語の教育や研究」に携わるエキスパートをパネリストとして招き、変化の激しい社会において、どのような人材が必要とされ、どのような大学(英語)教育が求められているかについて、フロアを交えて議論する。
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支部大会(2012年度) |
第26回北海道支部大会
日時: 2012年 7月 14日(土) 午後1時~午後5時45分
場所: 北海学園大学 豊平キャンパス (教育会館1階 AV教室4番)
札幌市豊平区旭町4丁目1-40
講演:
「 CEFR-J 構想と日本の言語教育」
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寺内 一( JACET 副会長・高千穂大学教授) |
(要旨)
21世紀に入り早くも10年以上が経過し、グローバル化がますます進んでいる。今日のアジアにおける英語の役割は「共通語としての英語(English as a lingua franca、ELF)」であり、まさにその英語はまたASEANと中国、日本、韓国において作業言語という役割をもつようになった。そして、英語はもはやネイティブスピーカーだけのもではなく我々のものであるという認識を持つことが必要である。こうした状況下にある日本において言語教育の方向性を示すもののひとつにCEFRがある。CEFRとはCommon European Framework of Reference for Languages: Learning, teaching, assessmentの頭辞語を冠した略語であり、欧州評議会が開発し、欧州共同体が政策決定し、2001年に出した「外国語能力共通参照枠」である。本講演では、日本のみならず世界の英語教育界に影響を与え始めたこのCEFRを改めて見つめ直し、日本の言語教育、特に英語教育界がこのCEFRをどのようにとらえ、どう取り入れていくべきなのかを考えてみたい。
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研究発表:
1)
「日本国内の英文掲示物の誤用の特定と類型化」 |
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小林 敏彦(小樽商科大学大学院商学研究科アントレプレナーシップ専攻) |
(要旨)
This study is intended to identify and classify errors
or linguistically inappropriate features pertaining to
messages written in English on signs, boards, notices, etc.,
at public places in Japan. Extensive field research has
been made over a long period of time in over 20
prefectures from Hokkaido to Okinawa and a variety of
errors were identified and classified into three major types:
morphological, syntactic and semantic. The morphological
errors refer to wrong inflections of nouns and verbs,
misspellings, punctuation, omission, redundancy and wrong
part of speech. The syntactic errors concern determiners,
word order, reference, voice and linking of words. The
semantic errors involve wrong word choice and erroneous
literal translations from Japanese to English. The paper
also analyzes the possible causes of each error and points
out some disadvantages of leaving these errors
uncorrected and exposed to public eyes and finally
proposes specific measures to eliminate all of those
errors.
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2) 「 A Comparison of the Scores of Two TOEIC SW Tests of Hokusei English Majors: Facts and Analysis 」 |
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江口 均 (北星学園大学) |
(要旨)
This study examines the development of students' productive skills in English in one academic year. The TOEIC SW test was administered to 55 students at two times: the beginning of the year, and the end of the academic year. Clear score improvement was seen in the two sets of test scores.
Can we attribute the score improvement solely to the education provided at the school? In this presentation, the test score data will be examined carefully from different perspectives, to determine contributing factors to the improvement of productive skills. Washback effects, test-wiseness and motivational factors will be among the influences examined.
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学生発表:
1) 「 A training method for home room teachers to developing their classes of foreign language activities」 |
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田中 みのり (小樽商科大学大学院) |
(要旨)
From April 2011 'Foreign language activities' were implemented in primary schools throughout Japan, intended to be taught mainly by homeroom teachers (HRTs) (MEXT, 2008). However, many schools must rely on the cooperation of AETs or local residents since HRTs have little confidence to teach English, while in regions lacking such resources HRTs must teach alone. This presentation reports on a training strategy being carried out at a primary school in Otaru, aimed at helping HRTs to gain confidence to teach English alone. During 9 team-teaching classes teaching responsibility shifts from a mentor (Japanese teacher of English) to an HRT. It is hoped that this approach will save resources while stimulating and maintaining learner motivation.
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2) 「ユーモアを利用した教授法」 |
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美馬 達哉(小樽商科大学大学院) |
(要旨)
日本の漫画であるONE PIECEからユーモアのあるシーンを分析し、その構造、及び作品や読者に及ぼす影響を知る。その過程から発見されたユーモアの中から教育現場への応用を目指す研究となっている。
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シンポジウム:
テーマ 「産業界が求める英語力」 |
司会: |
内藤 永(北海学園大学) |
講師: |
内藤 永(北海学園大学)
寺内 一(高千穂大学)
安藤 益代(一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会
森越 京子(北星学園大学短期大学部) |
(要旨)
グローバル社会の到来により、産業界では日常的に英語を使用する場面が増えてきている。本シンポジウムでは、「産業界が求める英語力」をテーマに据え、大学英語教育との接点を模索する。議論の前提として、ビジネスパーソン約7000名へのアンケート調査から企業が求める英語力を俯瞰した上で(寺内)、企業における英語評価の指標として用いられているTOEICの現状(安藤)、ニセコ・ヒルトンにおける学生インターンシップの現況(森越)、JACETEBP調査研究特別委員会の取り組み(内藤)をそれぞれ報告し、フロアを交えての議論を展開する。
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支部大会(2011年度)
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第25回北海道支部大会
日時: 2011年 7月 9日(土) 午後1時~午後5時30分
場所: 北海道大学 情報教育館 3 階スタジオ型多目的中講義室
札幌市北区北17条西8丁目
講演:
「大学英文法の構築を目指して」 |
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岡田 伸夫(JACET副会長・大阪大学) |
(要旨)
英語語運用能力を育成するには4技能の基盤である文法力を身につける必要があります。しかし、文法力だけでコミュニケーションできるわけではありません。そのことを踏まえると、近年の中高の授業でコミュニケーション活動が中心になってきていることは間違いではないと思います。しかし、コミュニケーション能力の育成を目指す一方で、コミュニケーションを下支えする文法力に対する認識が希薄になったために、確かな文法力を身につけるに至っていないという現実は皮肉としか言いようがありません。
大学の英語の授業で学生が確かな文法力を身につけて大学に入ってきていることを前提にして授業をし始めると、とたんに立ち往生してしまいます。さほど文法能力がなくてもできる表面的なコミュニケーション活動にシフトするか、慌てて高校英文法を復習することになります。しかし、ひとたび大学レベルにふさわしい知的内容のコミュニケーション活動につなげようとすると、やはり高校英文法より一段上の大学英文法が必要になりますし、大学英語教育の最初から最後まで高校のremedial grammarを教えるわけにもいきません。大学生に一段上の大学英文法を教えなければならないことは当然のことです。
そうは言っても、拠り所とすべき大学英文法はどこにあるのでしょうか。高校でも大学でも、高校英文法が英文法双六の上り、言い換えると、高校英文法が学ぶべき英文法のすべてであるかのような受け取り方がなされているのが現実ではないでしょうか。大学英語教育が、高校レベルの学習英文法の内容とその指導法に全面的に依拠すると、結局は、大学生に大学英文法を提供することができないばかりでなく、現行の高校英文法の「意味」のない、形式中心の文法を教条的に指導するだけになってしまい、大学生にふさわしい英語力を開発することにはつながらないだろうと思います。
このジレンマを克服するには、中高の英語の授業で、中高にふさわしい文法内容を適切な方法で教えることと、近年の科学的英文法研究の成果を大学英文法に取り入れ、大学英文法を豊かにし、それを適切な方法で教えることが不可欠です。
ここで注意しておかなければならないことがあります。科学的英文法研究は、必ずしも学生の英語コミュニケーション能力の育成を直接の目的にしているわけではありません。また、科学的英文法研究の内容は、抽象度が高かったり、逆に、重箱の隅を突く些細なものであったり、必ずしも実際の英語使用の役に立つわけではありません。私たちがしなければならないことは、多様な英文法研究に目配りし、その中から目の前の自分の学生に必要な知識を拾い出し、それを学生が消化しやすい形に加工して提供することです。このような認識を持った大学英語教員が増えてくれば、大学英文法教育の質は確実に向上するでしょう。また、このような認識を共有する大学英語教員が協力し合って大学英文法の構築に向かえば、必ず大学英語教育が質的に改善されてくるはずです。
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研究発表:
1) 「 E-learning TOEIC preparation program evaluation: Effects and suggestions 」 |
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江口 均(北星学園大学) |
(要旨)
This study aims to examine the effects of an e-learning program for TOEIC preparation published by Asahi Press. Fifty students prepared for the TOEIC using the program and completed a post-program questionnaire.
The results offer both quantitative data regarding score improvement, and qualitative data concerning students' study behaviors, as well as suggestions for program improvement.
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2) 「 The influence of international attitudes, social importance of learning English, and perceived English competence on the possible L2 selves and learning experience 」 |
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菅原 健太(札幌大学非常勤講師・北海道大学大学院) |
(要旨)
Interest in exploring learner motivation using the possible selves approach in tertiary English education has been grown over recent years, since Dornyei (2005) proposed new theoretical framework, “the L2 motivational self system”. This seems to be attributed to the fact that in this globalized era, it has been more important to encourage students to envision English-related possible selves and define individuals' ideal self that may contribute to enhance self-regulation abilities for the acquisitions of professional knowledge and skills. In the theoretical consideration, the author has paid attention to the following belief and attitudinal concepts: social importance of learning English, perceived English competence (concerning the L2 self-confidence), and international posture (Yashima, 2002); these are assumed to have influence on the vividness and clearness of the possible English selves. Concerning the topic of the self-related motivation, general discussion will be presented based on the findings from the following his studies using statistical techniques: 1) the relationships of the aforementioned variables with the components of the L2 motivational self system; 2) the motivational differences among the student groups according to fields of study.
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シンポジウム:
テーマ 「これからの文法指導を考える―現実認識から方向設定へ向けて」
司会:河合 靖(北海道大学)
講師:河合 靖(北海道大学)
横山 吉樹(北海道教育大学札幌校)
三ツ木 真実(北星短期大学非常勤・北海道大学大学院)
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支部大会(2010年度) |
第 24 回北海道支部大会
日時: 2010 年7月 10 日(土) 午後1時~午後5時
場所:北海道大学 情報教育館 3 階スタジオ型多目的中講義室
札幌市北区北 17 条西 8 丁目
講演:
「英語教員の研修と評価の新しい枠組みを求めて-教育委員会への調査結果に基づいて」 |
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神保 尚武( JACET 会長・早稲田大学) |
(要旨)
英語教員対象の研修に関する全国統一的なガイドライン、および英語教員の評価に関する全国統一的な水準または基準の策定を目指して、教育委員会の指導主事を対象に調査を実施した。主な調査項目は、英語教員対象の免許更新講習・評価、英語教員研修の制度と内容、英語教員の研修評価、英語教員の段階別評価である。講演の中で調査結果を報告し、それに基づいて英語教員研修・評価の現状の考察と今後の方向性に関する議論を行う。
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研究発表:
1)
「英語語彙学習を支援する電子ポートフォリオ Retriever 2 の開発と汎用化に向けた検討」 |
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田中 洋也(北海道情報大学) |
(要旨)
学習者の自律的,継続的な英語語彙学習方略使用を支援することを目的に電子ポートフォリオシステム Retriever 2 を開発した。本発表では,システムの概要,授業での教育介入について報告する。また,一般無償公開を見据えた汎用化に向けての課題を整理,議論する。
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2)
「理想的言語自己と心的境界の薄さ ― 日本人英語学習者を対象にした研究」 |
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菅原 健太(札幌大学非常勤講師・北海道大学大学院) |
(要旨)
国際共通語としての英語を用いて自分が活躍する姿を描く学習者の認知的、情意的、ならびに行動的特徴について予備調査の結果をもとに考察する。また、本研究で扱う学習者要因は英語の産出能力にどのような影響を及ぼすか、その調査方法を考案する。
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シンポジウム:
テーマ
「大学英語教員が行う社会貢献とその実際」 |
司会: |
横山 吉樹(北海道教育大学札幌校) |
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講師: |
萬谷 隆一(北海道教育大学札幌校)
佐々木 智之(北海道工業大学)
河合 靖(北海道大学) |
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全国大会(2009年度)北海道支部企画 |
支部特別企画 「変わる大学英語」
日時:2009年9月6日(日)午前
場所:北海学園大学(豊平キャンパス) 札幌市豊平区旭町4-1-40
参加対象: 中学生・高校生、ご家族の方、中学校・高校の教員など、来場者数260名
開催趣旨: この市民交流イベントは、大学英語教育学会第48回大会のテーマである「大学英語カリキュラムの刷新」を広く社会に発信するものです。「将来の大学生」とご家族、関係者に、「変わる大学英語」について大学の取り組みとカリキュラムを直接、見て、聞いていただきます。大学に入るとどのような英語を学べるのか、また、どのような可能性が開けるのか、知って頂く機会とし、将来学びたい大学を決める際の参考としていだきます。
事例研究:
昭和女子大学、国際基督教大学、神戸市看護大学、広島修道大学の特徴ある英語教育カリキュラムの事例紹介と質疑応答。
ポスターセッション:
北海道地区・12大学、東北地区・2大学、関東地区・17大学、中部地区・3大学、関西地区・10大学、中国四国地区・5大学、九州沖縄地区・5大学、合計54大学が、各大学の特徴ある英語教育カリキュラムの内容を掲示し、パンフレット等の資料を配布しながら、説明と質疑応答。
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支部大会(2008年度) |
第23回北海道支部大会
日時:2008年7月5日(土) 午後1時~午後5時30分
場所:北海学園大学豊平キャンパス 教育会館(AV4教室)
講 演:
(要旨)
英語は世界的普及に伴い、多様な種に分岐したが、近年交通・通信手段の驚異的な発達により、共通化・標準化が進んでいる。情報化社会で英語はどのように変わり、今後変わるのか。それをどう英語教育に生かすべきか。
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研究発表:
1) 「英語教師のための会話文法の構築をめざして」 |
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小林 敏彦 (小樽商科大学大学院) |
(要旨)
学校で教える伝統文法とネイティヴスピーカーの日常の会話の中の発話に見られる語彙・構文・語法の特徴を比較し、縮小、転換、拡張の3つの量的側面から再構築し、日々の文法指導の指針を示す。
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2)「教育実習に向けた模擬授業を効果的に行う方法-COLTに基づく授業分析の手法を用いて」 |
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志村 昭暢 (旭川実業高等学校) |
(要旨)
本研究では教育実習に向けて行われる模擬授業の効果を高めるため、COLTによる授業分析を行い、授業のコミュニケーション志向を示し、授業者に対して良い点や改善すべき点を指摘する方法について提案する。
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シンポジウム:
テーマ 「国際交流で変わる大学英語:魅力ある英語カリキュラム」 |
司会: |
坂部 俊行(北海道工業大学) |
講師: |
中屋 晃 (北星学園大学) 「海外実習プログラムの実現に向けて」 |
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塩川 春彦(北海学園大学)「北海学園大学経営学部における国際交流事業」 |
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佐々木 勝志(武蔵女子短大)「武蔵女子短大における海外語学研修の現状と課題」 |
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小野 真嗣(苫小牧高専)「遠隔授業を通した海外学術交流協定校との国際化推進事業について」 |
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高井 收 (小樽商科大学)「小樽商科大学短期留学プログラム協力科目として」 |
(要旨)
世界規模での情報化、国際化は、日本の各大学における国際交流事業の導入と推進をもたらしてきている。北海道における各大学の取組を報告し、国際交流が大学教育、日本人学生、留学生、教員、授業等にどのような影響を与えうるか考える。
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支部大会(2007年度) |
第22回北海道支部大会
日時:2007年7月7日(土) 午後1時30分~午後5時40分
場所:藤女子大学 新館 6階 656室
講 演:
「ICTを活用した実践コミュニケーション能力の育成--早稲田大学の大胆な試み--」 |
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中野 美知子(早稲田大学) |
(要旨)
早稲田大学では、1999年よりICTを活用した異文化交流を実践している。2007年度になって、大学の教育方針のなかに組みこまれ、3200名の受講生を5000人規模に拡大したいという計画である。2種類の構想があり、同じ教え方で統一しようという考え方と様々なテーマに基づく交流案とがある。さて、どちらが良いのか、皆様のご意見も伺いながら、EFLの環境で育っている学生にとって、有効な教育方法を討議したい。
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研究発表:
1)「日本の英語授業における教師のL1、L2使用の量的研究の方法」 |
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志村 昭暢 (旭川実業高等学校・北海道教育大学旭川校大学院) |
(要旨)
授業におけるL1、L2使用の量的研究の方法として、これまで単語数を数える方法や使用時間を計測する方法が主に用いられて来た。それらの分析方法を比較し、日本の英語教育に即した量的研究の方法を提案する。
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2)「教職課程履修学生の授業案」 |
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石川 希美 (苫小牧工業高等専門学校) |
(要旨)
教職課程を履修している大学生が作成した授業案や模擬授業を通してみられる傾向はどのようなものかを考察する。また、英語教員の作成した授業案とどのような違いがあるかを比較し、今後の課題を検討していく。
3)「英語多読授業の試みー学習者中心のリーディング授業の展開ー」 |
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竹村 雅史 (函館工業高等専門学校) |
(要旨)
本発表は、恒常的な学習活動を通して学習者(読み手)に時間を与え、自ら選んだ英文テキスト(Graded Readers)を読み進めてReadingの力を養成する学習者中心の英語多読授業を紹介する。
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支部大会(2006年度) |
第21回北海道支部大会 2006年7月8日(土)
シンポジウム(東北支部と合同)
「北海道・東北「英語教育」事始め・・・そして今」(司会:西堀ゆり) |
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その昔、東北・北海道には、見事な英語教育の花が開き、そして根付いていた。辺境の地にありながら、先進的な英語教育が創り出されたのは何故か?その源流を探りながら、東北・北海道の英語教育「温故知新」を行いたい。英語教師の教える力が問われる現代にあって、英語教育事始への旅は大きな示唆と励ましをもたらすものと期待している。 |
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パネリスト |
1. 井上 能孝(いのうえ よしたか)
函館日米協会副会長、日本英学史学会員、函館大学非常勤講師
「箱館&函館関係の英語教育事始めについて」
幕末の開港場・箱館に萌芽した英学のルーツに遡及し、諸術調所・英語稽古所・箱館洋学所など草創期の英語教育に言及し、さらに明治以降に創立された小学教科伝習所・商業学校・中学校との接点を解き明かしたいと志向している。
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2.千葉 元信 (ちば もとのぶ)
大学英語教育学会 東北支部長
「東北英学に見られる英語教育事始めについて―齋藤秀三郎と英語辞書」
齋藤秀三郎(1866-1929)は仙台に生まれ、『熟語本位英和中辞典』(1915)『齋藤和英大辞典』(1928)・英文法書・英語教科書等200冊を超える書物を著した。ここでは英語辞書を取り上げてその後の英語教育・英語辞書に与えた影響や現代的意義を考察してみたい。
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3.西堀 ゆり (にしほり ゆり)
大学英語教育学会 北海道支部長
「札幌農学校に見られる英語教育事始めについて」
1876年創立の辺境の地の「農学校」が、日本思想史・文化史に名を残す内村鑑三や新渡戸稲造、数多の英学者を生み出していった。また、宮部金吾や有島武郎などは学生時代に貧しい子供達のための「遠友夜学校」を作り出していった。その原動力は何か、札幌農学校のカリキュラムから迫ってみる。
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