お知らせ

◆JACET北海道支部では「支部大会」及び「支部研究会」の研究発表者を1年を通じて随時募集しています。以下の申し込みサイトからご応募ください。

日本語による発表はこちら / Presentation in English

※JACETの会員の方は、北海道支部以外の方でも応募することができます。
※発表に関する問い合わせは、jacethokkaidocontact[at]jacethokkaido.sakura.ne.jp
までお願いします。
([at] を@(半角英数)に変えてご送信ください。)

◆2025(令和7)年度支部大会を以下の通り開催いたします。
 2025(令和7)年度支部大会
  日時:2025年7月5日(土)13:00 ~
  場所:北海学園大学7号館3階 D30教室

支部大会へ参加を希望される方は以下のURLより事前申し込みをお願いします。
※申込締切日は6月30日(月)とします。
https://forms.gle/z3QLLLcCi6rjQ2f17

12:00~12:20【受付】
12:20~12:50【総会】
13:00~13:05【開会の挨拶】
13:05~13:45【研究発表①】
「AIを活用した英語教育の革新:教師による実践と自作アプリの活用事例」
江口 均(北星学園大学)
13:50~14:15【研究発表②】
「生成AIを活用した自由進度文法指導の実践―定時制高校における個別最適化と協働的学びのバランス―」   
 横倉 悠人(北海道北見北斗高等学校)
14:20~15:20【基調講演】
「インバウンド対応と英語コミュニケーション」 
藤田 玲子(成蹊大学)
15:20~15:50【交流タイム・業者発表】  
        
15:50~16:50 【シンポジウム】
「大学英語教育とインバウンド対応力―実社会につながる英語力の育成」
16:50~16:55【閉会の挨拶】

【研究発表①】
「AIを活用した英語教育の革新:教師による実践と自作アプリの活用事例」
江口 均(北星学園大学)

[ 要旨 ]
 2022年のChatGPT登場以降、AIは英語教育に大きな影響を与えています。本発表では、授業にAIを全面的に導入し、学生にも自由に使用させてきた実践と考察を紹介します。現在ではAIの活用が前提となりつつある中、教師こそがAIを積極的に活用すべきであり、学習の個別化や対話的な学習環境の実現が可能になります。本発表ではそのための基礎知識(HTML/CSS/JavaScript/API)と、私が開発した教育支援アプリを紹介します。主なアプリは、(1)自然な対話練習ができる「Dialogue Builder」、(2)インタビュー台本と音声を作成できる「Interview Script & Audio Maker」、(3)辞書付きディベート練習アプリ、(4)語彙学習を支援するスプレッドシート連携型辞書です。

【研究発表②】
「生成AIを活用した自由進度文法指導の実践
―定時制高校における個別最適化と協働的学びのバランス―」
横倉 悠人(北海道北見北斗高等学校)

[ 要旨 ]
 本発表では、夜間定時制高校において実施した、生成AIを活用した自由進度型の文法指導の実践について報告する。学習者の多様な背景や学力差に対応するため、レベル別の文法プリントを配布し、生徒は自分のペースで学習を進めつつ、疑問点をChatGPTやGoogle Geminiに質問する形式を採用した。AIの即時フィードバックは、生徒の不安を軽減し、繰り返し確認できる安心感をもたらした。また、AIと人間教師の特性を学習者自身が使い分ける様子も観察された。さらに、AIを「すぐに情報が得られる存在」、教師を「文脈を考慮して指導・励ましてくれる存在」と捉え、適切に活用していた点は注目に値する。本発表では、こうした事例をもとに、生成AIと人間教師の役割の補完関係や、生徒主体の学びを支えるための授業設計について考察する。

【基調講演】
「インバウンド対応と英語コミュニケーション」
藤田 玲子(成蹊大学)

[ 要旨 ]
 観光業は新型コロナウィルス感染症によって大きな打撃をうけましたが、2024年には訪日客数はフルに回復を遂げ、今後もますます増加することが見込まれています。一方、観光の現場における人材不足は深刻となっており、観光人材の育成は私たち英語教員にとっても重要課題と言えるでしょう。いわゆる“ホスピタリティ”を提供するコミュニケーションには、表面的な言語教育にとどまらない様々なスキルの習得をも目指す教育が必要になります。本講演では、ESPの視座から、インバウンド対応に必要な英語を分解して、そのレベル、コンテンツ、スキルなどについて過去の研究を紹介しつつ提案を行います。また、何を教えるべきかの全体像が分かりづらい観光コミュニケーション教育の枠組みを可視化したフレームワークを紹介し、英語教育のヒントについてお伝えします。

【シンポジウム】
「大学英語教育とインバウンド対応力 ―実社会につながる英語力の育成」
司会 森越 京子(北星学園大学短期大学部)
助言者 藤田 玲子(成蹊大学)
シンポジスト 田中 直子(北星学園大学短期大学部)
       陳 楽楽 (Athene Lele CHEN)(インターコンチネンタルホテル札幌)

[ 要旨 ]
 本シンポジウムでは、「大学英語教育とインバウンド対応力――実社会につながる英語力の育成」をテーマに、北海道のインバウンド観光の現状と観光現場における英語使用について、多角的な視点から考察を深めます。はじめに、香港、インド、そして日本国内の5つ星ホテルでの勤務経験を持つ陳樂樂氏より、宿泊施設における外国人宿泊者の割合や対応の実態、ホテルでの英語使用の現状についてお話しいただきます。また、英語での対応における課題や、ホテルにおけるトレーニング体制、現場で求められる英語の種類やレベルについてもご紹介いただきます。続いて、通訳案内士としての豊富なご経験を持ち、観光現場における通訳アプリの活用等に関する研究を行っている田中直子先生より、観光ホスピタリティ産業における英語使用の実態と、英語を運用できる人材の育成の必要性についてご講演いただきます。後半は、基調講演者である藤田玲子先生を交えて、フロアの皆様からの質問にも答えながら、観光の現場で実際に求められている英語力について意見交換を行い、実社会と大学教育の接続を見据えた議論を深めていきます。